本人は自分から利用したいとは言わない・言えない
成年後見制度は、本人の判断能力が精神上の障害により不十分な場合に、本人を法律的に保護し支えるための制度です。
すでに判断能力が低下している方が、自ら進んでこの制度を利用することは考えにくく、ご家族や周囲の方がこの制度、および必要な利用方法や手続き等を理解して、地域の社会福祉の関係者や専門家等に意見を聞き、相談しながら本人を支援していくことが大切です。
本人のどんな問題が解決するのかや将来への見通しをもつこと
成年後見人は、本人の財産を管理するともに、広範な代理権及び取消権を持つことから、本人に代わって様々な契約を結ぶなどして、本人が生活に困らないよう十分に配慮しなければなりません。
申立てのきっかけになったことだけをすれば良いものではなく、成年後見人等は、本人のために活動する義務を広く負うことになります。
この制度を利用することで、現状のどんな問題点が解決するのかや、将来においてはどうなるかの見通しを持つことが大切です。
申立に向けての問題点
財産管理が出来ていない、介護保険を利用していない、認知症が進行している、ひとり暮らしである、親族間に財産トラブルがある、悪徳商法の被害にあう、成年後見制度利用の背景には様々な事情があります。
これらのケースで成年後見人がついた場合には、預金通帳の再発行・財産の調査・介護保険の利用開始・生活の見守り・療養看護の計画化・悪徳商法の被害回復等が図られ、本人の財産管理と身上監護が始まります。
申立て人は誰がなるか
家族や親族(4親等以内)の方が申立人になることを考える、申立人には、申立ての時に家庭裁判所にて面接調査(即日事情聴取)を行うという運用がされています。
- 申立費用は申立人負担が原則です。(鑑定費用10万円にその他実費2万円)
- 申立書類は、申立人が自ら作成するか、司法書士等の専門家に依頼するかを検討する
- 自ら作成する場合は事前に家庭裁判所へ出向き、相談し、その内容を確認します。
成年後見人等の候補者
申立人は、申立てにあたって後見人等候補者を、その人の承諾を得て申立書に記載します。
- 親族のどなたが後見人等候補者として承諾して頂けるか
- 親族等の後見人等候補者の方が、制度全体の主旨を理解しているか
- 後見人等候補者を専門職(第三者)後見人に依頼するか
- 後見人等の報酬は、家庭裁判所が、その後の後見事務と資産・収入をもとに決めます
- 後見人等候補者が見当たらない場合にどうするか